じゆうちょう

大切にしたいから、忘れないために書いてます。普通なことから小難しい話題まで。雑多です。

実写版『進撃の巨人』を見て原作の考察にスイッチ入った。

先月、WOWOWで『進撃の巨人』の実写版をやってまして。今でも大人気のこの『進撃の巨人』が実写化になるってんで、当時は公開前なのにあり得ないくらいの酷評、そして関係者の方々のコメント炎上だのと、色んな意味で話題となったこの映画。

ボク自身も漫画やアニメの実写化にはどちらかと言えば反対しているほうなので、この進撃の実写版もそこまで興味はなかったんですが、やっぱり観ないことには物も言えないので、一応前編だけ観ました。

感想としては、うーん……これはファンが怒ってもしょうがないかな、と。巨人の迫力は予想以上にすごかったです。あの不気味さや恐怖心を煽る演出、人間を喰らいモグモグするシーンなどは、思わず観ながら食べていたピザをそっと皿に置くくらい気持ち悪かったです。

作ったスタッフや監督さんたちにはこの作品について各々特別な思いがあるようでしたが、前編を観た限りでは「やっぱ人気に便乗しただけだったのかな……」と思わざるを得ない、そんな作品でした。

まあ、実写版の話なんて良いのですよ。話したかったのは実写版映画のことではなく、それによって進撃スイッチが入って、原作が金銭的な問題で13巻で止まっていたボクの心に火がつき、映画を見終わったあと気づけば本屋で14巻~19巻を手にしていました。

どうやら今月の9日に最新巻の20巻が発売されるようですね!それを待ってからまとめて買っても良かったな。もう続きが気になって仕方なくなっちゃって。もう一度本屋に足を運ばねばなりませんな。

 

さて、今でもネットでは作品中に散らばる伏線や謎の解明・考察が色んなサイトでされていて、ボクも好きでよく目を通しているんですが、ボクが個人的に気になっている点やボクなりの考察と言いますか、妄想をね、今日は書いていこうかと思っています。

まあいつもの事ながら、あくまで個人の妄想ですので、深くは捉えないようお願いいたします。それとコミックス19巻までのネタバレがありますので、そこまでまだ読んでいないorアニメ派の人はブラウザバックをお願いします

あとは自己責任で。

 

 

色々この作品では気になるところが沢山あるのですが、その中でも気になりすぎている部分、そこをちょっと掘り下げて考えてみようかと思います。

 

【エレンの父親の正体】

調査兵団のキースがエレンの父親・グリシャを助けたということですが、そのグリシャが発見時、自分の名前と職業以外の記憶がなかったという点。記憶が無いと聞くとレイス家の存在がふと頭を過ったんですが、そこら辺はどうなんでしょうか。

でも見た感じ、服装などがボロボロで汚れていて、巨人に襲われない限りは昨日今日で壁外へ出たとして、そこまでなるかな?という印象。巨人に襲われていたらその時点で生きているのは奇跡中の奇跡でしょうし。

そして、記憶を失くしているせいか、調査兵団のことも壁中の人々の暮らしも知らなかったとなると、そこでまた過るわけです。あの猿の巨人のことが。

あの猿の巨人も立体機動装置を知りませんでしたよね。壁内で暮らしていれば知っていて当たり前のことを知らない。ということは、猿もグリシャも元々壁外の人間か……?

 

ライナー(鎧の巨人)、ベルトルト(超大型巨人)、ユミル(の民)の関係性と正体】

ライナーとベルトルトは確か途中から巨人になったんですよね。本人が「巨人の力を手に入れた」と言っていましたから。ということは、元は"ただの人間だった"ってことですよね。それが何かのきっかけ(猿のお陰?)で巨人化ができるようになった。

じゃあユミルはどうなんでしょうね。「60年間もの間、巨人として壁の外をさまよっていた」と言っていましたが、60年前は?

またユミルは「ただ存在するだけで憎まれたんだ。私は大勢の人のために……死んであげた」と言っています。この「死んであげた」というのが引っかかっていて、憎まれてるのを分かっていたから死んでやった、のか、それとも自分が犠牲になることで大勢の人が幸せになることを分かっていて喜んで死んであげたのか。

OVAのほうでも『ユミルの民』というのが話題になっていますが、残念ながらOVAの方は未観賞なのであまり詳しくは分からないのです。色んなサイトで北欧神話との関係性や「ユミルの民」発言をした巨人の頭を垂れた奇怪な行動、などの情報はちらほら見かけましたが、むむう。

でもその「ユミルの民」というのが一部の者にとっては尊い存在で、でもその尊い存在が"居るだけで憎まれた"ということは、ヒストリアのような王家の血筋に匹敵するほどの者なのか、王家などではなくとも何か特別な力を持つ一族のひとりだったとか、少なくともそういう存在である可能性があることが伺えますね。

そして「死んであげた」という言葉が文字通りの意味ならば、その後どうやって生き返り、巨人として過ごした時を経たのかが気になります。もしそれが文字通りの意味で無いとすれば、そのあとの「もし生まれ変わることができたなら……」という言葉は続かないでしょうしね。

 

【マルコがライナーたちに見捨てられた際のライナーの言葉】

マルコが亡くなる直前の話で、マルコが「まだ……ちゃんと話し合ってないじゃないかぁあああ……」と切なく声を上げる背後から、ひとりの巨人が迫り、マルコが捕食されてしまう。その光景を離れたところから見ていたライナー、ベルトルト、アニだったが、そこでライナー放った言葉。

「マルコが喰われてる……」「オイ……何で……マルコが……喰われてる……」

まるでさも予想外なことが起こったかのように言うのが、何か引っかかります。

何でマルコが喰われることに疑問を持つんでしょうか。

ライナーたちがマルコの立体機動装置を急いで外していたのは、もうすぐそこまで巨人が迫ってきていたからですよね。ギリギリで立体機動を外して3人は無事逃げられたわけで、そこでマルコが巨人に襲われれば、ライナーたちの秘密を知ったマルコが消えるわけですから3人にとっては都合が良いはずでは?と。

ついでに言えば、ゲスいですがマルコが標的になったわけですから、自分たちがすぐに襲われることは回避できたので良いのでは?と。

でもライナーたちは知ってたんですよね。

『巨人は巨人化できる人間を喰って人間に戻る』と。

まず狙われるとすれば、巨人化できる自分たち3人。だから実際、立体機動を外すのを急いでいた。自分たちが喰われてしまうと思ってたから。ただの人間のマルコが喰われることは無い……そう思っていたのに、マルコが目の前で無残にも喰われてしまったもんだから、驚いて思わずその言葉が出たんじゃなかろうか、と。

マルコが喰われた真相は分からないですけど、巨人が"無駄に人間を捕食することは無いという確証"は今のところはなかったはず。もし巨人自体が、巨人化できる人間とできない人間の区別がつかない場合、片っ端から喰っていく方法しかないから、マルコもその"片っ端のひとり"になった可能性はある。

ただそうなると、なぜライナーがそんなに驚くことがあるのだ、と。区別ができない巨人が居ることを知らなかった?いや、そもそもライナーたちも誰が巨人化できるかなんて分からないとかか……?

それとも、マルコが実は巨人化できる人間だった、とか?

ライナーたちはマルコがただの人間だと思っていたけど、マルコが実は巨人化できる人間で、巨人もそれを知っててマルコを食し、その事実を知らなかったライナーたち(ライナーだけ?)が驚くこととなった、というのはどうでしょうか。

 

【巨人になった人間は巨人化できる人間を捕食することで人間に戻るという真実】

まあ先ほども書いたのですが、もしこれが真実だった場合、そして巨人が人間に戻るためだけに人間を捕食している場合、この壁内の人間のほとんどが"巨人化できる人間"ということになってしまいませんか。だって、エレンの母親とかハンネスさん、マルコやあのカップルとか調査兵団の方々もたくさん(リヴァイ班やミケ、ナナバ、エルヴィンの腕など)捕食された対象はいくらでもいます。

上のマルコのことでも書いた通り、巨人が、巨人化できる人間の区別が難しいのであれば、片っ端から喰っていくやり方で、喰って人間に戻ったら当たり、という方法で判断するしかないと思うんです。その場合は無差別でも仕方がない。

ただ、そもそも巨人という生き物が、個々の強さのレベルとは関係なく、巨人化できる人間の区別ができるのであれば、先々で亡くなっていったキャラクターたちみんなが一気にキナ臭くなりますね。

で、これはボク自身の仮説・妄想なのですけど、元々壁内にいる人間たちが巨人化できる人間で、その人間たちを隔離するために、記憶の改ざんができるレイス家の巨人を使って、巨人化できる記憶をもろとも失くし、人間たちを閉じ込めたならば?

それで考えると、壁外の者という可能性がある猿の巨人、ライナー、ベルトルト、アニなどは、その壁中の人間たちの"監視役"なのでは……?

100年間、平和だったわけですよね。超大型巨人が出るまでは。でもそれまでに調査兵団が壁外へ繰り出し、巨人の情報を集め討伐することに躍起になり始めていた。それを危機と察知した猿含めライナーたちが、けん制のために襲ってきた……とか。

個人的にベルトルトのセリフが気になっています。

エレンをライナーたちと拉致ったときに、エレンを助けに来たアルミンに「悪魔の末裔が!」と罵倒しましたよね。でも、シガンシナ区奪還の際にアルミンと対峙したベルトルトは「君たちは誰も悪くないし、悪魔なんかじゃないよ。でも全員死ななきゃいけない。もうダメなんだ」と言った。

この矛盾はたぶんベルトルト自身の成長を表しているのだと思うんですけど『悪魔の末裔』というのがどうも引っかかって。"ただの人間"がなぜ『悪魔の末裔』なんだろう、と。この世界で悪魔的存在というと、ザックレー総統と巨人しか思い浮かばない。

まあ、ザックレーは関係無いとして、ということは巨人しか残っていないわけで。

壁内の人間が元々は巨人化できる人種で、ライナーやベルトルト、アニは後から巨人の力を授かった側ということは、元々は人間。で、対巨人化人間のために人工的に巨人になって、戦士として闘う人工巨人軍団だったんじゃないか、という妄想。

 

【レイス家の巨人の力を代々受け継いだ王たちが、巨人と戦わず巨人に支配されるほうを選ぶ理由】

これは上記の仮説に基づいた推測ですが、レイス家は人工巨人なのではないかと思うんです。あの怪しい注射器が作中に度々出てきますが、今のところあれを使っていたのはヒストリアの父親・ロッド・レイスとエレンの父親グリシャですよね。

で、ボクの中ではグリシャは壁外の人間という疑いがかけられています。ということは、あの注射器を使っていたロッド・レイスも実は人工巨人軍団の一族だったんじゃないかと。でもロッドさん、最初「私は巨人になれない」みたいなこと言ってましたよね。あれもちょっと気になっているんですが……あの注射器の中身に相性みたいなものがあるんでしょうか?パッチテストでダメだったとか。

でも結局巨人にはなってましたよね……見た目は、早すぎたんだ!腐ってやがる!みたいな感じでしたけど、そこはまあ置いといて。

もしですよ、今の壁内の人間たちが巨人化できるタイプの人間、いわば『天然巨人』だったとして、100年前に今と同じような出来事が立場が逆転した状態で行われていたとしたら……?

簡単に言いますと、今のエレンたちの立場が今の巨人の立場だったということです。

そして今の『人工巨人』とされている猿やライナーたちの立場が今のエレンたちの立場だったら、ということ。人工巨人軍団は元はただの人間で、天然巨人軍団の恐怖で支配されていた、と。

そして今と同じように長い年月をかけて巨人と戦い、仲間や家族が巨人たちの手によって失われた過去があり、今と同じようにその苦しみを終わらずべく、血を流して戦い、やっとの思いで壁内に隔離することに成功したとすれば……?

隔離する際、レイス家の記憶の改ざんを使って、天然巨人たちの記憶を操作し、巨人化ができることを忘れさせることができたとすれば、巨人と戦わず壁内で平和に暮らすほうを選ぶのではないかと思ったんです。

レイス家が人工巨人であれば、今の敵である壁外の巨人は元は仲間だから、別に戦う理由も無いと。レイス家の王の意思を受け継いだ歴代の王って、みんなして死んだ魚のような目をしているんですよね。疲れた目というか、まるで全てを見てきて悟ったような顔というか。初代王のそれまでの壮絶な記憶か何かが自らに宿った結果なんでしょうかね。

 

これでボクの妄想は一旦終了です。色んな考察を見ていて、作者がマブラブをパクりましたー!と公言しているので、マブラブ路線で考察を進めている人が多いのですが、ボクは有名鬱アニメ『ぼくらの』みたいな要素が入っているのではないかと思い、こんな妄想まで至りました。

長かったですね……さすがにボクも疲れました。

そろそろおやすむことにします。では。

 

 

 

おわり。