じゆうちょう

大切にしたいから、忘れないために書いてます。普通なことから小難しい話題まで。雑多です。

健忘症。

ボクは不定期でメモとして残しておくクセみたいなのがあります。このブログもそうですが、ただ単に"日記"というものではなく、言わば自分という人間が、その時々でどこに行ってどんなことを感じたか、どんなことを考えたか、などを主に、また自分という人間の解明みたいなものをメモするんです。

それをするようになったきっかけは20代の前半くらいからだったかな。ちょうど自分用のPCを持った頃からだったと思います。アナログで書いても良かったのですが、本当にとりとめもないことばかりで、箇条書きだったり、口調が混ぜこぜだったりするので、誰にも見られたくなかったのです。

そしてボク自身の中で"ただ単に物忘れというレベルではない空白の10年間がある"という事実があり、本当は30年間ほど生きているのにも関わらず、実際に身を持って感じているのはたった20年間ほどしかないということ。

医学的には『解離性健忘 (かいりせいけんぼう)』という障害があるらしいのですが、自分がその障害なのかどうかは病院に行っていないのでわかりません。ですがボク自身、そのある一定の記憶が無いことをそれまで全く気づかなかったのです。ではいつ記憶が無いことがわかったかというと、数年前、ボクの従姉夫婦のところに子供ができましてね。初孫ということで、ボクの家族らを含めた親戚一同がその従姉の支援などに動き回り始めたんですね。

そこから小さい赤ん坊と接するうちに、大人たちがこぞって自分たちの子供が小さかった頃の話をし始めたんです。「アンタは昔こんな子でね」「そういや、お前が○歳のときにこんなことがあったのよね」なんて言って。それで当然こちらにも振るわけですよ。「あのときのこと覚えてるわよね?」と。

そこではた、と気づくわけです。覚えていない事実に。

最初は「そんな小さい頃のこと覚えてないよー」なんて濁していたわけなんですが、小学校1年~6年にまであったことの殆どがすっぽりと自分の記憶から抜け落ちていたわけです。

小学校の頃のことはさすがにちょっとくらいは覚えているだろうと、周りが話すのですが、当の本人だけが知らない新情報が目の前で飛び交うわけです。

「え、何それ初耳なんだけど」「ウソでしょ?だってあんなに好きだったのに」「全然覚えてない」「えー!……なんかショックー」なんてことが途端に多くなりました。ただ、それがあまりにも多いので周りが変な顔をし始めましてね。え?それマジなの?というような。

親も半分冗談でしょうが「親はしっかり覚えているのに子供は覚えていない」という事実に落ち込んでいて、あーこれはダメだ、と。覚えてないなんて言っちゃいけないことなんだ、と気づき(遅い)、慌てて「ウソだよ、覚えてるよ」とフォローしたんですが、一番驚いたのは何を隠そう自分自身でした。

覚えていない10年間といいましたが、実際には生まれたときから中学に入るまでの12年ほどですね。赤ん坊の頃のことは誰だって覚えていないでしょうからそこは当然なんでしょうが、当時20代前半だったので少なくとも10年くらい前のことですし、あんまり大きな声で言うことではないですが、ボク自身低学歴なので、学生経験が人より少ないわけで……覚えていないと色んな意味でマズいはずなんですね。

ボクの中では普通だったこと。みなさんは覚えていますか?

小学校のときの遠足、どこへ何で行きましたか?誰とどんなところを見て回りましたか?大体の学校は写真屋さんが同行していたはずです。撮ってもらった覚えはありますか?お母さんが作ってくれたお弁当には何が入っていましたか?自分の好きなものは入っていましたか?美味しかったですか?

学校の勉強で、掛け算や割り算はいつ頃習いましたか?休み時間は誰と何して遊んでいましたか?何の教科が好きでしたか?宿題は一人でする派でしたか?それとも親としていましたか?夏休みや冬休みは誰と何をしてどこで遊びましたか?学校であった、嬉しかったことや悲しかったこと悔しかったことはどんなことですか?

これらそれぞれの質問をひとつずつ挙げることはできますか?ボクにはできません。全滅です。自分がどんな字を書いていたか、自分がどんなことを思いながら授業を受け、先生の言葉を聞き、クラスメイトと遊んでいたか?全くもってわかりません。覚えがないのです。

でも全部が全部覚えていないわけではありません。覚えていることもあります。給食のご飯と牛乳のコンビは頂けなかったとか、授業中に手を挙げるときに右手の甲にあるホクロがすごく嫌でコンプレックスだったとか、そういうのはちゃんと覚えています。しかし、実家のアルバムや作文はボクにとっては新発見の連続。こんな写真撮ったっけ?っていうかこいつ誰だ?こんな絵描いたっけ?あ、あそこって広島だったんだ……などなど。

記憶だけで辿ると、まるで飛び級をした感覚。1年生から一気に4年生まで飛んだりします。しかも、思い出すとまるで夢を見ているかのように、自分の姿もそこにあるんです。わかりますでしょうか。自分の目線じゃないんです。クラスメイトと自分を別の離れた場所から見てるんです。その離れた場所から見てるのは誰の目線なんでしょうね。怖い話ではないですよ。本当にそんな感じなのです。

だからメモを取るようにしたんです。このブログもそういう経緯でやっています。大事にしたいんです。ボクが感じたこと、考えたことなどを何かに残しておきたくて。もう今のような思いをしたくないんですね。

それで、最近そのメモを見つけたのでそれについて書こうとしたんですが、何というか……こんなに長くなってしまいました……。

やっぱり文章をまとめるのってニガテだなあ。

また次に書くことにします。

 

 

おわり。